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読了

伊藤野枝と代準介
矢野寛治

ようやく読み終わり。
9月末に読み始めてので約3が月かかった。

矢野寛治、代準介の祖孫の夫が、代の書き残した「牟田の落穂」という自伝を中心にしながら、伊藤野枝、大杉栄、また当時の無政府主義者たちの足跡をたどっていくというのが、まあ簡単に言うところのあらすじ。
ところが、この本の面白いところは、登場人物の関わった事件を紹介する事で、明治から大正にかけての歴史の流れ、世相を浮き彫りにしていく、とともに、左右両方の人物と関わった代準介のすがたを見せてくれているところなのだ。これはひとえに矢野寛治氏の詳細な調査、踏査によるところだ。平凡な言い方だけど、素晴らしい。著者は多少、この代準介に強い思い入れを隠さずに代の気持ちを、代弁しているが、またそれが単なる評論ではない読者を引き込んでいる要素をもたせている。
しかしながら難解な語彙が四方に飛び散るかのように使われており、辞書無しでは読み進めることが能わない。
僕は、まあ、この本を読む時間も一日数十分位なのもあるけれど、読み終わるまでに3ヶ月かかってしまった。
途中で大杉栄の自叙伝を読んだりしたのもあるんだけどね。
で決めた。
この本を、再度読み返そう。
はっきり言って、というか簡単にいって面白いのだ。
ぼくの知的欲求心というか勉強ごころ、というか、調べ物好きなごころ、みたいなものを満たしてくれるのね。難解語句もね。

by tks23118 | 2015-12-26 12:37


海や山から小さな幸せの欠片を集めてくる係をしています。


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